正しい馬券の買い方?
生活保護受給者が約6年3ヶ月の間に約480万円の馬券を購入しながら、約327万円の払戻にとどまったところで福祉事務所に発覚し、返還を求められた・・・という事案で、裁判所は「赤字だから収入申告の必要はない」という生活保護受給者の主張を退け、払戻額は申告が必要な収入と認定したとのこと。この裁判の中で、裁判官からは「そもそも払戻金が馬券の購入代金を上回ることは極めてまれ」とまで言い切られてしまいました。中央競馬の控除率が20~30%ということを考えた場合、単体で「極めてまれ」と言えるかどうかについては異論の余地があるのですが、生活保護の生活費水準から毎月4万3000円以上(前記金額÷月数)を継続的に馬券を購入する場合、かなりの方法論ないし運に恵まれなければ、利益を継続的に出すことは難しいでしょう。
自他とも認める馬券派ではなく浪漫派である私にとってのターニングポイントは、馬への思い入れが増えれば増えるほど、的中率が下がっていくという馬券上の定理に気づいてしまったことかもしれません。他にも、一定期間を区切って「全レース1番人気の単勝を100円ずつ買う」「特定騎手の騎乗馬の単勝を100円ずつ買う」といった機械的馬券法も研究したりしたけれど、的確なポイントを抑えることさえできれば、思い入れと愛情を込めた買い目より、明らかに回収率が上がることに気づいたり。・・・でも、それでは、浪漫派はダメなのです。魂を震わせるものが、何もない。この方向性を極めれば、馬券購入資金の経費性で最高裁判例になった方のようになれたのかもしれませんが、人は、未知の可能性を切り落としながら、大人になっていくのです。
そんな私が得た法則は、生活と心の余裕によって生み出された資金を、思い入れとロマンを乗せて買うことが、正しい馬券の買い方だということなのです。面白くもくそもありませんが。