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エアシャカール列伝・編集後記

お正月なので、エアシャカール列伝を復刻してみました。お正月なのに救いのないお話であることに、他意はありません。

サブタイトルの「みんな夢でありました」は、没後になかにし礼さんの姪という事実が流れ始めた故・森田童子さんのマイナー曲名を、母の馬名「アイドリームドアドリーム」ともリンクしうるのではないかという発想で借用しました。元ネタらしい学生運動へのシンパシーはかけらもない私ですが、人生と過去の普遍的な過ちを悔いるという側面で思い当たる節は山ほどあるだけに、この曲と詞はすさまじい破壊力で魂に染み入ってきます。ちなみに、カラオケで入っているのは見たことがありませんが、あったとしても場の空気を絶対零度にするだけなので、絶対に歌ってはいけません。

列伝復刻の最大のハードルは、執筆当時と現在の情勢が根本から異なることなのですが、エアシャカールの場合、当時から血統的には(産駒が少なすぎて)悲観的に書いていたことで、根本的な変更は不要でした。・・・とはいえ、今回エアシャカールの血統を調査してみたところ、彼の血統の断絶の可能性しか出てこず、絶望的な気持ちになってしまいました。子世代は牝馬ばかりなのに、孫世代では牡馬ばかりで、しかも貴重な娘の娘(2頭)は、最後のレースから何年も経っているのに、産駒の存在が確認できなかったり・・・。バイアリータ-ク系が存続レベルでやばくなるような時代だから仕方ないのかもしれませんが、血統の多様性というものが失われたのは、21世紀の競馬の本当に切ないです。

そんなエアシャカールは育成ウマ娘としては未実装ですが、ちゃんとウマ娘化されています。「アナーキーなまでのデ-タ至上主義者」というのは、ウマを傷つけない、よい改変。ウマのデータ演算を担当した「ウマ娘おじさん」も納得でしょう。・・・いや、「天才ユタカ」がまさか20年後に「ウマ娘おじさん」なんて呼ばれている図は、絶対に想定できない。。。あと、私自身も、ウマ娘化されているウマのことだって、忘れてはいないのです。

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