ライスシャワー列伝・編集後記
リアルタイム連載時、競馬に一切知識も関心もないのに「人の筋肉を見る目で馬の筋肉を評価する」筋肉ヲタク「ニククレ」氏から、サイレンススズカ列伝、サクラスターオー列伝と並んで「お涙頂戴三部作」と呼ばれたライスシャワー列伝ですが、オリジナル版とほとんど変更がないのは別に手抜きではなく、馬自身の最期が最期だけに、物語がオリジナル段階でほぼ完結・完成していたからです。その後明らかになったエピソードをいくつか入れようとも思ったのですが、どうも全体のバランスを壊してしまう気がして。いわゆる蛇さんの脚ってやつです。。。
ただ、本文の中での疑問に対しては20年の時の中でツッコミどころもありまして、
「サンデーサイレンス血統によってステイヤーが淘汰された後に現れたサンデー系ステイヤーのフィエールマンをどう位置づけるのか?」
「ステイヤーの価値すら忘れ去られてしまったとしたら、ライスシャワーの価値だけを後世の人々に理解してもらうことは、果たしてできるのだろうか?⇒できます。それは、20年後、女の子として擬人化されたキャラのアニメとゲームによってです」
という点は本来修正するべきだったのかもしれませんが、そこを整合させようとすると改訂どころか全文書き換えになりそうなので、やめました。
あと、2度目の春天での章立てに「決意の直滑降」を採用しようとした・・・のですが、「みたび淀の坂を越えて」は菊の「淀の坂を越えて」、1度目の春天の「ふたたび淀の坂を越えて」と韻を踏んでいたことを思い出し、涙を呑んで思いとどまりました。
そんな凸凹の末の改訂ですが、時を越えてライスシャワーの物語をお楽しみいただければ幸いです。