ただ、本文の中での疑問に対しては20年の時の中でツッコミどころもありまして、
「サンデーサイレンス血統によってステイヤーが淘汰された後に現れたサンデー系ステイヤーのフィエールマンをどう位置づけるのか?」
「ステイヤーの価値すら忘れ去られてしまったとしたら、ライスシャワーの価値だけを後世の人々に理解してもらうことは、果たしてできるのだろうか?⇒できます。それは、20年後、女の子として擬人化されたキャラのアニメとゲームによってです」
という点は本来修正するべきだったのかもしれませんが、そこを整合させようとすると改訂どころか全文書き換えになりそうなので、やめました。
あと、2度目の春天での章立てに「決意の直滑降」を採用しようとした・・・のですが、「みたび淀の坂を越えて」は菊の「淀の坂を越えて」、1度目の春天の「ふたたび淀の坂を越えて」と韻を踏んでいたことを思い出し、涙を呑んで思いとどまりました。
そんな凸凹の末の改訂ですが、時を越えてライスシャワーの物語をお楽しみいただければ幸いです。
]]>サクラスターオーのエピソードの数々は、非業の死を遂げた馬たちの中でも、特に心に染み入るものがあります。華やかな舞台に無縁なところにいた中で、サクラスターオーというクラシック=憧れの舞台で戦える馬に出会い、そして戦った平井師、東騎手の立場と戦いぶりに、私自身、感じるところがあるのかもしれません。
復刻列伝の編集後記は、見知らぬ方の「(未実装馬について)ウマ娘にこの馬を実装してくれと必ずぼやいてる」という書き込みを見て、なるほどと感動したのですが、サクラスターオーだけは、果たして実装を望むべきなのかどうか。
「天国に行ってまで走らなくていい・・・」
と棺にメンコも入れなかったというエピソードも納得せざるを得ない壮絶な馬生をたどったサクラスターオーだけに、果たして
「ウマ娘に転生してまで、走れ!」
なんて望んでいいんだろうか・・・?と迷いを感じてしまうのです。
「サクラ家」に「メジロ家」のような関係や交流があるのかどうかは知りませんが、どう考えても不幸体質で苦労性になりそうなサクラスターオー嬢(ウマ娘)(これだけだとライスシャワー(ウマ娘)とキャラがかぶるけど)と、
「バクシンバクシンバクシーン!」
な委員長のどう見てもかみ合わなそうな関係は、見てみたいのですが。
]]>サブタイトルの「仁川早春物語」は、赤川次郎の「早春物語」より。・・・赤川次郎って、最近の若い世代にどの程度通じるのだろうか。
完結までとても長い時間がかかった阪神牝馬3歳S勝ち馬列伝ですが、アインブライド列伝までは、実は17年前の時点でほぼ完成していました。ただ…スティンガーとヤマカツスズランで苦戦したのは、他の馬とのセットでまとめるには少し強すぎたからのような気がします。・・・とはいえ、阪神3歳S勝ち馬列伝や牝馬三冠勝ち馬列伝の先例もあり、「阪神3歳牝馬S勝ち馬」もひとまとめにした時点で、このグループに入れるかどうかの基準は、「他のGlを勝ったか否か」というものにしかなりえません。そもそも「阪神3歳牝馬S勝ち馬」をひとまとめにしたのが、間違いだったかもしれません。
1991~2000年の阪神3歳牝馬S勝ち馬と牝馬三冠勝ち馬を並べてみました。( )内の数字は、G1勝ち、重賞勝ちです。
阪神3歳牝馬S ニシノフラワー(3,6)、スエヒロジョウオー(1,1)、ヒシアマゾン(2,9)、ヤマニンパラダイス(1,1)、ビワハイジ(1,3)、メジロドーベル(5,7)、アインブライド(1,1)、スティンガー(1,5)、ヤマカツスズラン(1,4)、テイエムオーシャン(3,5) G1 19勝 重賞42勝
桜花賞 シスタートウショウ(1,1)、ニシノフラワー(3,6)、ベガ(2,2)、オグリローマン(1,1)、ワンダーパヒューム(1,1)、ファイトガリバー(1,1)、キョウエイマーチ(1,5)、ファレノプシス(3,4)、プリモディーネ(1,2)、チアズグレイス(1,1) G1 19勝 重賞24勝
優駿牝馬 イソノルーブル(1,3)、アドラーブル(1,1)、ベガ(2,2)、チョウカイキャロル(1,2)、ダンスパートナー(2,3)、エアグルーヴ(2,7)、メジロドーベル(5,7)、エリモエクセル(1,4)、ウメノファイバー(1,3)、シルクプリマドンナ(1,1) G1 17勝 重賞33勝
エリ女(~95)、秋華賞(96~2000)リンデンリリー(1,2)、タケノベルベット(1,2)、ホクトベガ(1,13)、ヒシアマゾン(2,9)、サクラキャンドル(1,3)、ファビラスラフイン(1,2)、メジロドーベル(5,7)、ファレノプシス(3,4)、ブゼンキャンドル(1,1)、ティコティコタック(1,1) G1 17勝 重賞44勝
・・・G1勝ちでは桜花賞と並んでトップタイ、重賞勝ちではエリ女・秋華賞に負けていますが、ここはホクトベガの交流重賞での荒稼ぎが含まれていることを考えると、当時の阪神3歳牝馬Sは、相当レベルが高かったと思われます。
何はともあれ、長期未済案件がようやく一つ片付きました。
]]>叙情的な文章を垂れ流しておきながら、実は私はこの時代の競馬をリアルタイムで見ていません(そのペテンっぷりこそ、「ぺ天使」というHNの由来のひとつだったりします)。しかし、ミスターシービーという馬の在り方についてはきわめて多くの資料が残されており、またその時代の名残がまだ競馬場に漂っていた時期に競馬へ魂を惹かれていった者として、彼というサラブレッドの生きざまは、ぜひ残しておきたいものでした。
twitterのエゴサーチで「本紀は時代順なのにルドルフとシービーだけ逆で泣いた」(意訳)みたいなシービー党の方(たぶん)の書き込みを見たのですが、本紀が(ルドルフとシービー以外)時代順に見えるのは単なる偶然で、そんな意識はまったくありませんでした。オグリキャップ、メジロマックイーンやトウカイテイオー、ビワハヤヒデが本紀にならないなんて、そんな恐ろしい歴史観を持ってはいないのです。
ちなみに、本文の「常勝と不敗と」というあたりには、明らかに「銀河英雄伝説」の影響が見て取れます。ミスターシービーなラインハルトと、シンボリルドルフなヤン・ウェンリーだと、原作自体に凄まじい展開の齟齬が出て来そうですが。他にも「随一から唯一へ」のあたりも影響が感じられます。・・・この本紀に限らず、列伝&本紀全体に、「銀英伝」の影響はかなり広範かつ深遠なものがあることには、果たしてどの程度の方に気づいていただけているでしょうか。。。
ところで、そんな私の心を犯罪的に奪ったのは、ウマ娘版ミスターシービーさん。エイシンフラッシュのストーリーに脈絡なく出演したと聞いて、しかもビジュアルが好みのど真ん中すぎたため、当時ストックしていた無償ジュエルを全部突っ込んだけれど、結局エイシンフラッシュをお迎えできなかったためにミスターシービーさんにも会えず(ちなみに私自身は無課金プレイヤーです)、鬼哭の涙を流しました。その後のハーフアニバーサリーで配布された無償ジュエルは、ミスターシービーさん実装時に備えて貯えておこうと思っています。・・・タマモクロス、メジロパーマー、ダイタクヘリオス、ツインターボ、メジロドーベル、メジロアルダン、マチカネタンホイザ、ファインモーション、キタサンブラック、サトノダイヤモンドが育成実装されない限り、浮気しないくらいの強い思いです。
]]> 私の心を虜にした「プリティーダービー」アニメ第2期では「無敗でなくなったことで走る目標を失ったトウカイテイオーの精神的敗北」という側面が色濃く描かれ、馬主の許可が取れていないと思われる大人の事情も相まって勝ち馬の描写すら省略された92年天皇賞・秋ですが、実際には作中でも「バカ爆逃げコンビ」として描かれるメジロパーマー、ダイタクヘリオスによる狂気のハイペースの影響が極めて甚大で、好位につけてしまったトウカイテイオーまで道連れにされてしまった・・・というのが私の、そして通説の理解と思われます。
ただ、そうした特異な展開での勝ち馬は、他のGlを勝つなどの事情がない限り、低い評価に甘んじるというのが日本競馬の傾向であり、その結果、レッツゴーターキンの種牡馬生活は、極めて不遇なものに終わってしまいました。当時の名馬たちや脇役たちの再評価に多大なる影響をもたらしていると思われる「ウマ娘」の世界でも、レッツゴーターキンは救われないのです。哀しからずや。
というわけで、「ウマ娘」をきっかけにこのHPにたどり着く方たちがいた場合、ぜひ、Glを勝ったクラスでも、「ウマ娘」に取り上げられない名馬たちが多数いること、そして彼や彼女たちにも、ネームドウマ娘のモデルたちに決して引けを取らない物語があるということに気づいていただければ幸いです。
]]>個人的には、ジャパンCで一番燃えるエピソードは、リアルタイムで見るようになる前のこと、ギリギリで列伝対象にはならない時代の第3回ジャパンCで、レース前に
「日本はいつも我々に強い馬を連れてこいというけれど、なぜ日本で一番強いトリプルクラウンホースはなぜ出てこないのか?」
と海外記者に(たぶん悪気なく)軽んじられた高松師が、
「だから、日本で一番強いキョウエイプロミスが皆さんのお相手をするのです」
と返し(ここはあくまでも闘志を内に秘めて静かに言い返した説と、啖呵を切った説があります)、実際にキョウエイプロミスがレースでも激走して日本馬初めての連対を果たしたものの、それと引き換えに競走生命を失ったことと、そんなジャパンC当日、東京レース競馬場には若き日の皇帝がやって来ていたというエピソードです。この日の布石が第4回、第5回ジャパンCにつながっていく物語の流れは、ウマ娘のシナリオにもなりそうなんですが、残念ながら、まずはカツラギエース(とキョウエイプロミス)がウマ娘化されないことには始まりません(え?「古いよ・・・」ですと?知らねーよ)。
ジャパンCを第4回にして初めて制した日本馬にして、海外マスコミから「エース・オブ・ジャパン」とたたえられたカツラギエースに、21世紀、そして令和の競馬ファンから、深い敬意を捧げます。
]]>ダイサンゲン…もとい、ダイユウサクは何度かの加筆を経て当事者がみんな幸せになるオチへと収束していったため、校正は楽だろうと思っていたのですが、「彼がAERUでファンを待っている」という点を前面に押し出していたことをきれいさっぱり忘れていました。ちなみに、リアル当事者の関係者の方が列伝を見つけていたらしく、好意的な反応をいただいていたことに感動していたり。
ちなみに、ダイユウサクがAERUに到着したばかりのころに、告知も何もないのにそれをダイユウサクではないかと見抜いたファンがいた・・・というのは、現地で聞いたネタだったりします。
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