メジロデュレン列伝・編集後記
サラブレッド列伝第10話として取り上げられたのは、史上初めての「Gl2勝馬」なのに列伝化されてしまったメジロデュレンです。
実は「サラブレッド列伝」では10の倍数のキリ番を意識しており、最初のキリ番である第10話ということで「Gl2勝馬」を解禁して取り上げたという大物なのですが、その一方で、サラブレッド列伝を描いていた2000年前後には、
「30年くらい前(つまりは70年代)の馬かよ…」
と思ってしまうくらいに完全に「過去の馬」扱いされていたという、悲しいまでに「列伝」にふさわしい馬でした。
今になって思えば、2000年前後の競馬ブームは「ダービースタリオン」等の競馬ゲームの影響が強かったのですが、その結果として、当時の競馬ファンが直接見ていない80年代の馬の中で、種牡馬として早期にリタイアした馬、種牡馬になれなかった馬は冷遇されていた気がします。当HPの闇の名作「阪神3歳S勝ち馬列伝」も、こうして誕生するのです。日本競馬がまだまだ未熟だったがゆえの悲劇でした。
ただ、この時代を取り上げていて思うのは、この時代までの競馬界を先導したホースマンたちの生きざまって、かっこいいなあ。。。ということです。今回関わった北野豊吉氏ももちろんですが、シンボリ牧場の和田共弘氏とか、日本ホースマンクラブの面々とか、こういう方たちなくして今の日本競馬はなかったんだろうということは、ひしひしと思い知らされます。ちなみに、20年前の私は、日本ホースマンクラブの意義とかよく分かっていませんでした。本当にごめんなさい。
結局ウマ娘に恨みがあるのかというくらいウマ娘化されていない馬ばかり取り上げる形になっていますが、何度でも言いますが、他意はありません。メジロマックイーンさん大好きです。でも、マックイーンらが出ている以上、馬主の許可は出ているはずなのに、なかったことにされているのは悲しい限り。
まあ、ウマ娘ではメジロマックイーンがメジロ家の正統令嬢みたいな描き方をされているのですが、「お祖母様」=メジロアサマとも言われるこの描き方だと、マックイーンの姉ではあってもアサマの孫ではないデュレンは、扱いがものすごく難しいのです。プリティーではない暑い競馬漫画シングレでの登場に期待しています。有馬記念でスーパークリークにやられる役としてワンちゃんあり・・・。