タレンティドガール列伝・編集後記
マックスビューティ列伝改稿の勢いで、その最高の栄冠を阻止したタレンティドガール列伝も改稿。
20世紀の名馬の血統が残る可能性は、牝馬と牡馬だと断然牝馬が有利だという現実を痛感させられます。現代にも残る血統の安心感は異常。。。
基本的には20世紀のGl勝ち馬について単独で伝を立てる当列伝ですが、「阪神3歳Sのみの勝ち馬」(牡馬、6頭)、「阪神3歳牝馬Sのみの勝ち馬」(牝馬、6頭)、そして「牝馬三冠すべてで勝ち馬が異なり、かつそのその馬も他のGlを勝っていない勝ち馬」については複数頭で伝を立てています。1984~2000年の17年間のうち、「牝馬三冠勝ち馬列伝」の条件を満たすのは、公開済の84、85、88、89、91、99年と、未公開の90年、2000年の8編となります。
それ以外の年度で言えば、86年はメジロラモーヌ(牝馬三冠)、87年はマックスビューティ(桜、樫)、92年はニシノフラワー(桜、スプリンターズS)、93年はベガ(桜、樫)、94年はヒシアマゾン(秋華、阪神3歳牝馬S)、95年はダンスパートナー(樫、エリ女)、96年はエアグルーヴ(樫、天皇賞・秋)、97年はキョウエイマーチ(桜、マイルCS)とメジロドーベル(樫、秋華などGl5勝)、98年はファレノプシス(桜、秋華)がいるがゆえに、「牝馬三冠勝ち馬列伝」ではなく勝ち馬全頭の単独列伝という方針になったわけですが、上記の馬以外の勝ち馬である87年のタレンティドガール、92年のアドラーブルとタレンティドガール、93年のホクトベガ、94年のオグリローマンとチョウカイキャロル、95年のワンダーパヒュームとサクラキャンドル、96年のファイトガリバーとファビラスラフイン、98年のエリモエクセルの合計11頭は、自身のGlが牝馬三冠のうち1勝のみでありながら、単独列伝を立てるということでもあります。牝馬三冠1勝だけの馬だとネタをとりづらいということで「牝馬三冠勝ち馬列伝」にまとめているのに、足りないはずのその馬自身の実績に変わりなきまま、単独列伝を立てるこの彼女たち(ホクトベガは、ある意味異なりますが)にこそ、筆者の力量が問われることになります。その困難を物語るように、その中で公開できているのはタレンティドガールとチョウカイキャロルの2頭だけなのですが、この2頭(+ホクトベガ)以外の牝馬たちについては、このネット社会においても流通する情報は割と限られている様子。
このクラスの馬こそ、現代における列伝の需要はあるのかなあ・・・?などと思って見たりします。