97年春のクラシックの思い出 ~1~
春のクラシックの季節が近づくと、様々な年のクラシックの思い出がよみがえるのですが、その中でも最も楽しかった年度の一つが、97年です。
大学進学後、東京暮らしを始めて競馬のことも学び、楽しむことができるようになった私に対し、97年の今くらいの季節に、突然同級生が声をかけてきました。
「俺に競馬を教えてくれないか?生活費がいつも足りないので、馬券で稼ぎたいんだが」
「・・・いや、学生は馬券買っちゃいかんだろ。まあ、競馬の一環として予想を学びたいというのならば、協力しなくもない」
「それでいいから、頼む!」
・・・しかし、その時点での彼は、競馬のケの字も分からない、まったくの素人でした。すべてのレースで予想をしたがる彼に対し、私は珍しく的確な助言をしました。
「ズブの素人がいきなり全レースに手を出しても中途半端になるだけだ。まずはデータが多いG1戦線でさらに路線を絞り、ステップレースから本番まで追っていくことで学べることがある」
と、私にしてはまともそうなことを教えてやりました。
時代は97年。牡馬クラシック、牝馬クラシック、古馬中長距離、古馬短距離戦線・・・といった各路線ごとにみてみると、古馬中長距離はサクラローレル、マヤノトップガン、マーベラスサンデーの3強、牝馬クラシック(三冠)はキョウエイマーチとメジロドーベルの2強対決という傾向が顕著であり、また実際にそういう結果になっています。私はそのどちらかを追うように勧めたのですが、友人曰く
「予想通りの馬が勝っても儲けは小さいんだろう。それじゃあ面白くないし、やる意味がない!」
とのことで、彼が追うと宣言したのは、注目度が高く、動く金も大きいけれど、この年の傾向がまだはっきり見えてきていない牡馬クラシック戦線でした。・・・大丈夫か?wwww