クシロキング列伝・編集後記
20世紀、天皇賞・春は輝いていました。本文でも書いた通り、グレード制が導入された後、2000年までの17年間15頭の勝ち馬のうち、Gl1勝に終わったのは、わずか3頭だけだったのです。ちなみに、21世紀に入ってからはどうなのかというと、04年イングランディーレ、05年スズカマンボ、08年アドマイヤジュピタ、09年マイネルキッツ、10年ジャガーメイル、11年ヒルノダムール、12年ビートブラック、18年レインボーラインの8頭がGl1勝に終わっているため(2021/11/05現在)、20世紀ほどではないにしても、思ったより健闘しています。個人的に、天皇賞・春の勝ち馬には、やはり名馬であってほしいのです。
・・・しかし、そうした名馬揃いの20世紀の天皇賞・春勝ち馬たちの中で、世紀末には既に忘れられた存在となっていたのが、クシロキングです。彼の勝ったレースは、シンボリルドルフとのコンビで覚醒した岡部幸雄騎手の「3200mの競馬を1600mにする」という怪好騎乗が有名なのですが、好騎乗で勝った=馬の力ではない・・・という評価にすり替えられてしまった感があるのが悲しいところで、彼を追いかけた資料は、明らかに少なかったです。ちなみに、「3200mの競馬を1600mにする」理論は、競馬漫画「風のシルフィード」の中で、さりげなくライバル馬の1頭によってパクられ再現されているのがメジャー化の原因・・・なのかもしれません。(←ほんとかよ)
ところで、「風のシルフィード」というと、ひとつ疑惑があるのが、中山の直線の坂。作中で通称「地獄の壁」と言われているそうなので、私もそれを信じていたのですが、冷静になってリアル競馬を追いかけてみると、中山の坂を「地獄の壁」と呼んでいるのは、聞いたことがない気がする。。。騙されていたのか・・・?( ゚Д゚#)