TOP >  編集後記 > タカラスチール列伝・編集後記

タカラスチール列伝・編集後記

金曜夜にTVでルパン3世を放映していたことで思い出したのが、このタカラスチール列伝です。

この列伝を描いていた当時もルパン3世を見ながら、タカラスチールという馬名の英語表記は「Takara Steal」なので、「宝+盗む」だなあ…と思っていました。旧列伝はもれなくバッハを中心とするBGMを付けたビジュアルノベル(?)で、この列伝にも他のBGMを付けてはいたのですが、私の脳内でのタカラスチール列伝のイメージソングは、権利の関係で実現はするはずもない「炎のたからもの」でした。さらに言うならば、サブタイトルには藤子不二雄A先生の「愛ぬすびと」も影響していると思われます。

ところで、この「タカラスチール」という馬名の由来について、「冠名(タカラ)+父親の名前の一部」という説もありますが、父親の「スティールハート」の英語表記は「Steel Heart」、すなわち「鋼の心」です。「暗殺教室」でビッチ先生が日本人の欠点としてこだわっていたのはrとlの発音ですが、aとeだってたいがいなものなのです。

閑話休題。タカラスチールも、旧列伝当時には競馬界からほぼ忘れられた存在になっていたような気がします。こうした馬についてもまともに文章を書くことができるのは、80年代のJRAの公式雑誌「優駿」の圧倒的充実っぷりのおかげでした。重賞についてはGll、Glllでも必ず見開き2頁を使い、さらにすべてで騎手、調教師、生産者のインタビュー記事を載せ、Gl勝ち馬については生産牧場を訪ねていく・・・という編集方針(と「公式」としての信頼)が、どれほど旧列伝の力になったことでしょうか。

20世紀終盤以降の「優駿」の路線は、徐々に、しかし確実にライトユーザー層への訴求しやすいものへと変わっていき、Glや重賞の数の増加、その一方でGl生産牧場が一部の牧場に寡占化される傾向の強化による「Gl馬の故郷」コーナーの編集方針の変化があったため、現在のGl馬について20世紀の馬のような列伝を描く作業は、おそらく困難さをかなり増しているはずです。列伝で触れるGl馬を20世紀中心にしようと考えたのは、そういうことだったりします。

TOPへ