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スズパレード列伝・編集後記

 スズパレード列伝のサブタイトル「皇帝のいない夏」のネタ元は、小説「皇帝のいない八月」(小林久三)で間違いありません。とはいっても、ネタ元は自衛隊のクーデター計画と、それを阻止しようとする政府の政治小説で、列伝との内容的な関連性はないのですが、皇帝=シンボリルドルフのいない夏にようやく登頂を果たすスズパレードの戦いに重ねました。・・・8月の英語名Augustはローマ初代皇帝アウグストゥスに由来するからこその原作タイトルなのに対し、スズパレードが勝った宝塚記念は6月=June、それも中旬ですから果たして「夏」と言っていいのかどうか怪しい気がしなくもないのですが、「皇帝のいない梅雨」では本当に何のことを言っているのか訳が分かりません。そもそも、無から有を作り出すのは、偉大なる皇帝陛下の特権なのです!orz←平伏

 ちなみに、シンボリルドルフというサラブレッドが、周囲を威圧して実力を発揮させなくする異能の持ち主だったことは、あらゆるエピソードが物語る通りです。シンボリ牧場時代には併せる馬を壊しまくり、同世代はことごとく自信を撃ち砕かれて大成を阻まれる。保有スキルがデバフの鬼というのもなるほどです。おそらくライバルたちの能力まで開花させてしまう主人公気質の持ち主だったであろうミスターシービーとは、その意味でも対照的だったのではないかと思われます。

そんなおそるべきカイチョーの魔の手を逃れてGlにたどりついたスズパレードは、もう少し評価してもらえてもいい気がします。1年ぶりの復帰明けGl制覇も偉大ですが、1年3ヶ月ぶりの復帰明け重賞制覇だってなかなかできることではないのです。

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